電動モビリティ市場が成長を続ける理由

reason.1超高齢社会の課題

【2021年(令和3年)8月1日現在(確定値)※ 】〈総人口〉1億2563万3千人【2021年(令和3年)8月1日現在(確定値)※ 】
〈総人口〉1億2563万3千人
現在、日本で電動モビリティの主な利用者となる65歳以上が総人口に占める割合は28.9%(※1)です。この割合は今後も上昇の一途をたどり、2040年には35.3%(※2)に達すると推計されています。
世界各国に先駆けた超高齢化が社会にもたらす影響は多岐に亘ります。このうち、加齢に伴う運転ミスが引き起こす『(全交通事故に占める)高齢者事故の割合増加』、車を手放したことで外出手段を失ってしまう『免許返納後の代替手段の問題』、路線バスや鉄道をはじめとした地域の公共交通機関の衰退によって生活必需品の買い物が困難になる『買い物困難者』等は、高齢者の移動と外出に関わるものといえます。
これからの時代、電動モビリティの重要性が高まっていくことは間違いありません。

reason.2移動の自立が地域の
暮らしを支える

電動モビリティは高齢者など移動に困難を抱える方達に最適です。
運転に特別な資格は不要で、運転免許を取得したことがない方、返納した方も利用できます。乗り物なので事故の危険はあるものの、歩道を通行でき(※3)、速度もゆっくり(※4)としているので、車に比べて万が一のとき大事故になる可能性が格段に低くなっています。更に、家庭用電源から充電できるので、ガソリンスタンドが遠い中山間地域でも便利に使えます。
このような特徴を持つ電動モビリティは、主に近距離の日常的な移動手段として用いられています。移動の自立を実現した方は外出の回数が増加して、積極的に社会と交流する傾向にあります。電動モビリティは高齢者が慣れ親しんだ地域で生きがいを持って暮らすための支えとなっています。

reason.3免許返納者の増加は追い風

申請による運転免許の取消件数の年別推移65歳以上の申請取消件数申請による運転免許の取消件数の年別推移
65歳以上の申請取消件数
セリオで取り扱う電動モビリティは免許不要で利用できるため、免許を返納したご本人はもちろん、そのお子さんやお孫さんにあたる方達からも「返納後も外出を継続できる」と注目されています。行動範囲が限定され、天候の影響も受けるなど一部に制約はありますが、無茶な運転をしづらいことが却って家族の安心に繋がる面があるからです。
運転免許証の返納者は、制度が知られるようになった2014年頃から増え出し、ブレーキの踏み間違いによる交通死亡事故が全国的に報道された2019年には、過去最多の約60万人(※5)に上りました。2016年から2020年までの5年間では約234万人が免許を返納し、車を卒業しています。電動カート市場、自転車市場もこれに比例するように成長を続けています。

reason.4公的制度も導入を後押し

電動モビリティは、公的制度によって費用の支援を受けられる場合があり、幅広い方々の利用を後押ししています。
代表的なものは介護保険制度です。介護保険の居宅サービスの中には、福祉用具を一定の自己負担でレンタルできるサービスがあり、電動カートを含む電動車いすはこの対象品目に指定されています。また、一部自治体では、電動カートや電動車いす、電動アシスト付自転車の購入に際しても補助金を受けられる場合があります。
移動に支援を必要とする方々を、社会が支える仕組みも整っているのです。

reason.5「自分で自由に」のニーズは失われない

冒頭に挙げた高齢者の移動の問題を解決するために、自動車メーカーも先進技術の開発を進め、自動運転のレベルは年々向上しています。更にMaaS(※6)と呼ばれる新たな概念も生まれ、便利で安全な移動手段が追求され続けています。完全自動運転化された乗り物が街中を縦横無尽に走り、移動に困難を抱える人がいない社会もいつか実現されるのかもしれません。
それでも電動カートや自転車など、『自分の意志で運転して、自分の行きたい場所に出掛ける』ことのできる電動モビリティは支持され、利用者を拡大していくでしょう。運転する楽しみは自由であることの象徴であり、自立心と自尊心の維持に繋がっているからです。